褒めることについて
わたしは自分の褒め言葉の語彙が少ないと思う。
とっさに出てくる褒め言葉といえば、
「えらい!」「すごい!」「かっこいい!」「かわいい!」「すてき!」
…だいたいこの辺りで行き詰まってしまう。
よく自己啓発などで、自分のことをたくさん褒めてあげましょう、というワークがあるが、語彙がこれだけしかないので、自分に褒め言葉をかけてみてもいまいち気持ちが盛り上がらず、いつも飽きてしまうのだ。
なので、人にかけるにしても自分にかけるにしても、もっと褒め言葉の語彙を増やしたいなぁ、とか、どうやって褒めればうれしいかなあ、とか、いつもの癖で難しく考え始めていた矢先。
とても良い「褒める」に出会った。
今、わたしは英会話を習っていて、そのレッスンでは一回ごとに先生から「長所、強み」「課題、改善点」などをピックアップして評価してもらえるシステムがある。
わたしの英会話レベルはというと、ビギナーから3番目に簡単なレッスンにも関わらず、わからなすぎてつい日本語での質問を連発してしまい「モウチョット英語、使イマショウネ」と先生にカタコトで苦笑いされるくらいグダグダであるが、そんなわたしでも、長所、強みとして「Asking and answering questions Response time(質疑応答の反応が早かった)」とか「Pronunciation(発音が良かった)」と必ず褒めてもらえるのだ。
そのなかでもとても良かったのは
「You could tell me that you like cats!(あなたは猫が好きだと私に言うことができました!)」
という、褒め言葉だった。
その日のレッスンは、とあるものについての好き嫌いと、なぜそう思うのか、を簡単に伝える会話の勉強をした。
そのなかでわたしが「I like cats.They are great!(わたしはねこが好きです。ねこたちは素晴らしい!)」と言ったことを「今日の良かったところ」として褒めてくれているのだ。
え!そこ!?そこを褒めてくれるんだ!?
ともすれば、他に褒めるところなかったからかな…とネガティブな思いがよぎりそうなとこではあるが、でもこの時は思わず吹き出してしまうくらいおもしろくて、むりやりにでも良いところを見つけてくれることが、じわじわとうれしかった。
褒めるって、語彙とか技法ではないんだな。
良いところを見つけて、肯定して、讃える、その気持ちと行為が「褒める」ってことなんだなーと、改めて気がついた良いできごとだった。