自分を大切にするのは些細なことからについて
今まで、自分を大切にする、ということがいまいちよくわかっていなかった。
それでも、それが生きていくうえでいかに重要であることなのか、理屈のうえでは理解していたつもりだったので、疲れた時は思い切って仕事を休むとか、自分を都合よく扱うパートナーとはお別れするとか、身体を壊してまでいやな仕事を続けないとか、そういうことを言うんだろうなぁ、とぼんやり考えていた。
そんなだから…かはわからないが、まわりから「自分を大切にしたほうが良いよ」と心配して声をかけてもらう機会がわりとあっても、本当にそうだね、と感謝して同意しつつ、それはいざという時のことなんだと、身近には感じていなかった。
ごく狭い範囲の大きな項目としてしか、捉えられていなかったのだ。
自分の欲求を欲望とみなさず、喜びとして捉えてあげること。
自分の直感や感情を素直に信じてあげること。
自分の興味や喜びを抑制せずに満たしてあげること。
去年の後半あたりにかけて、それらが自分を大切にすることに繋がると実感して、今までほとんどできていなかったかもしれない、と思った。
またここ最近、日常のごくほんの些細なことでも、自分を大切にできる場面はたくさんある、ということに気がついてきた。
眠いと思ったら少し昼寝をするとか。
喉が渇いたと思ったら面倒くさがらずに何か飲むとか。
トイレに行きたくなったら、キリが良くないから、と我慢しない。
歯がしみたり痛くなったらすぐに歯医者にかかる。
そしてちゃんとするのが億劫と感じるのであれば、今は心ゆくままにだらけてみるとか。
こういった「何かをやろう」と思ったけど、でもやらなかった、できなかったという記憶は、意外とストレスとして大きく蓄積していくらしい。
えっ、そんなことが?と思うほど些細な、むしろ、ほんの些細なことだからこそ、日々の積み重ねで知らぬ間に数で勝ってゆき、大きな出来事よりもっと大きく膨らんでいることもあるのだ。
去年の3月、わたしの尊敬している先生は、本来の自分を取り戻すためには、やりたくないことをやらないことから始めてみましょう、と教えてくれた。
また、そのやりたくないことは、小さければ小さいほどより大きな意味をもってくると。
当時はあまりピンとこなかったが、今ならそのことが実感をもって、よーーーくわかるようになったのだ。