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理想や憧れを叶えるために今やれることについて

 

長年勤めた会社では、周囲に馴染むのに3年かかった。

 
もともと引っ込み思案だったし、かなり人見知りなので、広い交流を持つことは得意分野ではない。

極めつけ、当時は現役の隠れおたくだったので、自分に関して開示できる情報が少なく、定番質問の趣味や休みの日にしていること、好きな音楽、映画などの話題は当然聞かれて困ることが多かったので、極力こっち側を覗いて欲しくもなかった。

そうやって自分から壁を作っていたところもあったので、なかなか周囲に馴染めないのは、まあ当然のことだったと思う。

 
でもやっぱり、毎日通い、一日の中で一番長く居る場所に気を許せる人たちがいて、ふとした時になんてことない話を気軽にできるというのは、理想で憧れでもあった。


それでも積極的に人の輪に入っていけないし、人を惹きつけるようなおもしろい話もできない。

入社から1、2年は周囲とつかず離れず平行線のまま、とにかく目の前の仕事を真摯にやって過ごしていた。

まわりの人たちと気軽に世間話はできなかったけど、挨拶と業務的な質問や連絡、報告などは努めてきちんとするようにした。

 

だが、その甲斐もあってか、徐々に事態は進展を見せていった。

業務連絡の際などに一言、二言の短いコミュニケーションが取れるようになったり、だんだん目を掛けてくれる人や、かわいがってくれる人ができてきたのだ。

そういう、他人のがんばりに目を配れる人たちは、やっぱり人望の厚い人が多いので、交流の場に引っ張っていってくれたり、幅を広げるきっかけを与えてくれもした。


それから環境の変化や人事異動、担当変更などを経て、いろんなキーパーソンとの出会いにも恵まれ、入社4年目ではなんと、同僚たちと毎日腹筋が痛くなるほど笑い合う日々を過ごせるようになった。

当時、それはもう忙しかったので、みんなしてテンションがおかしかったのかもしれないが、本当に楽しくて、毎日通うのが全く苦でなかった。

 

ひとりで淡々と会社に通ってた頃には、こんな日が来るなどとは想像もつかなかったが、会社の親しいグループで休日におでかけもしたりした。

その親しくなった人たちには、当時、自分最大の機密事項であるおたくであることを明かすことができた。

そうすると不思議なことに、今までは出会うことなかった隠れおたくにエンカウントするようになった。それも会社の中で複数人!

会社生活の中で、ある意味秘密を分かち合える仲間との出会いは衝撃的だった。

 
そして、一番の出会いは、自分で毒だと思っていた部分を「むしろそこが好き」と気に入って仲良くしてくれた同性の先輩のこと。

入社5年目くらいに起こったある個人的な事件をきっかけに、本当になんでも話せる仲になれた。

その事件は、かなり身も心もかき乱されたものだったが、その事がなければここまで先輩と関係を深めることがなかったと思うので、それが起こったことすらも本当にありがたいことだったと、今では思っている。(事件についての詳しいことは控えるが。。)


それで実感したのは、コミュニケーションが不得意で器用じゃなくても、やるべきことを真摯に行っている人を疎む人はあまりいない、ということ。

また、その行いに、自分と近しい人たちがそれに気がついて、新しいステージへ引っ張り上げてくれたりする。

残念なことに、いつまでも他人の良い取り組みに気がつかず、剰えその人を軽んじるような人も存在しなくもないのだろうが、正直そんな人に認められる必要はまったくもってないと思う。

ただ戦う必要もないので「この人はそうなんだな」と一線を引いて、極力関わらず、必要最低限の交流と挨拶だけ、しっかりしておけばいいのだ。

 
要したのは短くもない年月だが、気がついたら、いろんな理想や夢は叶っていた。

 

夢の実現の為には「今、自分のできる範囲で、できる限りのことをすること」が大事だという。

世の中の成功者と呼ばれる人たちは、まずゴールを設定し、そこへ到達するまでの年数を想定し、さらにその中で年単位、月単位、週単位で何をすべきかどんどん細分化してゆき、ついには1日単位までおろして、今日、なにをやるべきかを決め、そうやって夢をどんどん叶えている、という話を聞いたことがある。

 

わたしの場合、理想や憧れを叶えてくれたのは「目の前の仕事に真摯に取り組むこと」だったのだと思う。