なんか良かった

日々のなんか良かったポイントを貯めています

自分に飛び込んでくるメッセージについて

受けていた講義の中で、内容から少し外れた余談として、先生がこんなことを話し始めた。

 

「電車に乗るとき、いつも同じ車両、同じ立ち位置、同じ向きで、毎日同じ景色ばかりを繰り返し眺めていませんか」

 

自身を改めて振り返るまでもなく、まさにその通りだった。

その行為自体にもちろん良い悪いはないが、なんとなくどきりとする。

先生の言葉はこう続く。

 

「人間、毎日同じことの繰り返しだと、新鮮味を失って新しい考えが出てきにくくなり、いつまでも同じ場所に留まりがちになります。乗り換えのこともあるので、車両を変えるのは大変かもしれないけれど、立つ位置や向きをほんの少し変えるだけでも全く違った景色が見えてきて、何か感じることも違うはずです」

 

先述の通り、講義の本筋から外れたちょっとした余談の中での言葉だったけれど、わたしの中ではなんだか大きく響いたものがあった。

これなんか今わたしに必要なことなのかなって、なんとなく思っていたら、凝り固まっていた頭と心の中が、少し風通しを良くしたいと訴えていることに気がついた。

 

帰り道、さっそく実行しようと、いつもとは違う経路を進もうかと思ったが、時間もかなり遅く慣れない暗い道をひとりで歩くのは少しこわかったので、いつも歩いている反対側の歩道を通る、というほんの少しの変化にとどめてみた。

こんな微細な違いでは意味がないかなと最初は半信半疑だったが、いつもとほんの3、4メートルずれた位置を歩くだけでも景色が全く変わって、それに伴い気分も結構変わることがわかった。

空気が夏みたいだな、と思いながら、自分が抱えている思い込みについて考えた。

 

そしてまた別の日は、クラスメイトが語る将来の展望を聴いていたとき。

彼には将来のビジョンがすでに具体的にあって、実行したいアイディアを本当に楽しそうに披露したあと、ふと、彼はこう言った。

 

「いや、しかし、結局は自分がいちばん楽しむこと(が一番大事)だね」

 

普段からたくさん話をしていた訳ではないが、何となく彼が語るにしては意外な言葉に思えて、かなり鮮明にわたしの中に飛び込んできた。

なんだかピンポイントでわたしに向けられた言葉みたいだ、と心の中でそんな勝手なことを思う。

彼はわたしの近況や悩みを全く知らないので、そんなはずは万に一つも無いのだが。

 

まず自分が楽しむこと、そのことはわたしがいちばん大事にしたいと思っているところでもある。

でも、何かと不安や心配にとらわれがちな最近では、そのことを主軸にしていたかといえば、決してそうとは言えなかった。

そして、今意識が「自分が楽しむ」ということがから少しずれていることに気がつく。

そういえば、以前も新しい環境にいかに早く馴染むかについて悩んでいた時も、ふと「楽しんだほうが良いですよ」と声をかけられてハッとしたことがあったな、とそんなことを思い出した。

 

こんな風に人とのやりとりの中でもそうだが、マンガや映画を観ている時だったり、電車の中吊り広告に記された文書だったり、まさに今の自分にぴったりな言葉やメッセージが、意図せずにふと飛び込んで来ることはないだろうか。

わたしの場合、とある悩みの真っ只中にいたとき、挙式を行なっている教会が毎月出している電車の中吊り広告に記されたメッセージが、ことごとくその時の自分にぴったりで、かつ必要なことばかり書いてあって、驚いたことがあった。

ひさしぶりに自分に飛び込んできたんだと思えるメッセージを受け取って、なんだか面白いな、と思ってこれをここに書いてみる。